産業衰退化と失業 2
アメリカで1980年代になって起こっているのは、北東部や中西部の伝統的工業地帯が国際競争力で地盤沈下しつつあるのに対し、南部や西部とくにサンベルトといわれる地域で先端技術や石油化学などの成長産業が、急速度で発展したことです。
鉄鋼業のような衰退産業は装置産業でもあるため、もはや移動する気力さえ失っていますが、自動車産業などでは最近カリフォルニアや南部への立地が目立っています。
もっとも自動車の場合は、デトロイトなど中西部を捨てるわけにもいかず、ジレンマに苦慮しています。
したがって、1980年12月に全国平均の失業率が7・4%というなかで、自動車産業の集中するミシガン州では14%に達したのに対し、先端技術産業が多いテキサスでは5%以下という、大きなばらつきが示されました。
とくに北部の大都市における失業は深刻化しています。
不況に入っていなかった1979年をとっても、全国平均の失業率が5・8%というのに、ニューヨーク市は8・7%、フィラデルフィア11・8%、デトロイト14・8%となっています。
北部で最も失業の犠牲となっているのが、大都市に集中している黒人です。
同じ1979年の黒人の失業率は、ニューヨーク市で2・9%、フィラデルフィア19%、シカゴ11%、デトロイト18・8%です。
とくに黒人のティーンエージャーの失業は最もひどく、1970年に29・1%であったのに対し、1980年には37%に達しました。