敵意ある政治実体 2
国家大業のスケジュール「動員裁乱時期」終結に先立つ91年3月、台湾立法院は「国家統一綱領」を決定しました。
「国家の大業」だとする大陸統一政策について、その理念と方向を定めた今後の基本綱領です。
その統一へのレールは・・・
1.まず短期的には交流によって理解を促進し、互恵によって敵意を解消する。
相手方が政治実体であることを否定せず、良性の相互連動関係を打ち立てる「交流互恵の段階」
2.双方が敵意を解消した中期段階では、対等かつ公式の意思疎通のパイプを確立し、ハイレベル人士の相互訪問を実現する「互信協力の段階」
3.そして統一への気運の整った長期段階で初めて両岸の人民の意思に基づき、統一を話し合う協商機構を設立する「協商統一の段階」
・・・という3つの段階に分かれています。
91年4月末、台北で取材した「両岸関係セミナi」の席上、この「統一綱領」案をまとめた立法院国家統一委員会の施啓揚主任(当時)は、その基本戦略を次のように説明しました。
「われわれは中国側が言う『一国両制』、すなわち共産主義制度を認める立場や、『一国両府』・・・
つまり2つの政府の存在、あるいは一つの中央政府(北京)と一つの地方政府(台湾)が存在するという立場は承認できない。
現段階では、大陸と台湾という制度の異なった2つの地域が実質的に存在すること、すなわち『一国両区』という考え方に立ち、あくまでも対等の立場で民間交流を促進し、大陸地区の民主化つまり『和平演変』を待つしかない。
大陸の民主化を発展させるたあに、台湾はその触媒、ないしは灯台の役割を果たすだろう。
三つの段階を一歩一歩進めさせる重要な要素は、敵意を捨てた善意ある大陸からの反応だ。
大陸が台湾に対する敵対政策を放棄した段階で、初めて『三不(接触せず、交渉せず、妥協せず)政策』の見直し、航空機や船舶の『両岸直航」問題が調整されるだろう。
統一に時間表はない。
すべては中国側の出方と変化にかかっている。
あとは中国からの『善意ある回答』を待つしかない」。